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教頭からの降任希望者も続出・・・不人気の原因は教頭にかかる重い業務負担

2015/05/26

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【週刊】教育関連ニュースまとめ
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教頭 負担 労働時間

はじめに

学校の先生で最も多忙とされる副校長や教頭が不人気だ。昇任試験の志願者が少なく、各地の教育委員会が対策に乗り出している。大阪市教委は、各校長に部下の中から教頭候補者を推薦させ、受験させる異例の策にでた。
「いまが教員人生で一番しんどい時期。ふんばりどきだと思っています」。神奈川県内の市立中学校の副校長は話す。
毎朝5時すぎに家を出て、6時20分には学校の門を開ける。担任が入院すれば、かわりの常勤講師をさがし、窓ガラスが割れれば業者に電話する。教育委員会からの通知を読み、教員の勤務評価、報告書作成。帰宅は午前0時すぎ。休みは新学期になって1日だけ。2015/5/24朝日新聞

本記事では、このニュースを基に副校長や教頭の負担軽減について考えていきます。


教頭・副校長にかかる重い負担

副校長や教頭にかかる重い負担が問題となっています。まずは副校長や教頭の労働時間の長さについて見てみます。

以下は小学校における副校長や教頭と教諭の労働時間についての図です。

これを見ると、一年のうちすべての時期において副校長や教頭の方が教諭よりも労働時間が長くなっていることが分かります。

それではなぜ副校長や教頭は労働時間が長くなるのでしょうか。ここで副校長や教頭の残業時間内における業務内容の内訳を見てみます。

これを見ると、副校長や教頭は「事務・報告書作成」と「学校経営」という項目で、残業時間が多くなっていることが分かります。

さらにこうした時間的負担に加えて、やりがいが感じられづらいということも負担感の重さにつながっていると考えられます。教員は子供と接する中でやりがいを感じるというケースがほとんどです。しかし、副校長や教頭になると子供と接する業務ではなくクレーム対応等の負担感が重いものも含めた事務的な業務が増大することになるため、やりがいは増えないにもかかわらず業務負担ばかりが増えるということになってしまうのです。

そうした影響から次のような動きが出ています。

最近は降格を望む副校長や教頭もじわじわ増えている。高校などを含む公立校の副校長や教頭から教員への希望降任は13年度、全国で107人と初めて100人を超えた。最多は大阪の21人、次いで東京の15人だった。都教委の担当者は「副校長に集中する業務自体を改善しないと、なり手は確保できない」と話す。(2015/5/24朝日新聞


教頭・副校長の負担が重くなる理由

それでは、なぜ副校長や教頭に業務が集中しているのでしょうか。その背景としては、副校長や教頭があらゆる業務への対応を求められているということがあります。

教頭の仕事を、「クレーム対応から校庭の草むしりまで、学校の何でも屋です」という人もいます。一般の教員がやりたがらない仕事が回ってくる場合も多く、精神的にも苦しいといいます。                 「『学校の何でも屋』教頭の厳しい職務」

こうした背景の中で、学校全体に求められる業務量が増大したことが、副校長や教頭の業務量の増大につながっていると言えます。

校長を補佐し、校内の実務を取り仕切る教頭。教諭の出勤関係書類や教育委員会などへの調査報告を担当するが、その負担は徐々に増えてきた。
例えば学校での事故。以前なら他県で発生しても影響はなかったが、今は全国どこであろうと調査を求められる。議会で質問が出たら新しいデータのためにまた調査。処理する文書は月に3、40通に上る。           「教頭の長い1日―仕事次々強まる負担」
文部科学省の〇六年度教員勤務実態調査によると、小学校の84・8%、中学校の83・8%の教師が「教員が行うべき仕事が多い」と感じ、中でも「保護者らへの対応が増えた」との回答が小学校で74・9%、中学校で70・6%に上った。
                                  (「モンスターペアレントの実態」

このように、近年様々な調査や保護者に対する対応に関連して学校全体に求められる業務量が増大したことが、「何でも屋」とされることも多い副校長や教頭の業務量の増大につながっていると言えます。

こうした現状はどのようにすれば改善されるのでしょうか。

改善策の大きな方向性としては、学校全体としての業務量を減らすというものと学校の人手を増やすというものの2つが考えられます。

学校全体としての業務量を減らす取り組みとしては、既に取り組みが進められているものもあります。その例としては、国や都道府県教委、市町村教委がばらばらに学校に依頼している調査の統合や時期の平準化といったものです。他にも様々な取り組みが考えられますが、こうした取り組みを引き続き続けていく必要があるでしょう。

学校の人手を増やすということに関しても既に進められている取り組みもあります。東京都では、副校長の業務を事務職員によってサポートする機能の強化に取り組んでいます。こういった取り組みも拡大していく必要があるでしょう。

学校現場では副校長や教頭に限らず、そこで働く人のほとんどが重い業務負担を抱えています。そうした中で、同じパイの中でうまく業務を切り分けるという発想では限界があると言えます。上述のような取り組みの拡大を期待します。

 

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記事執筆:さくま

都内で政治学を学ぶ大学生です。
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