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子供が劇的に変わる・・・?子供たちの行動を変えるABC分析とは

2015/05/26

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指導ノウハウ
キーワード
生徒指導 行動分析 ABC分析

はじめに

教員になると子供を変えたくてもなかなか変わらないという思いをすることが出てくるでしょう。また、自らの一つの言動が知らないうちに子供の行動を悪い方向に変化させるという可能性もあります。

こうしたことは、行動をマネジメントするという発想を持つと解決の糸口が見えてくるかもしれません。この発想は教員志望者にとっては面接試験の場面指導でも活きてくるものです。本記事ではそのエッセンスをご紹介していきます。


個人攻撃をするのではなくどうしたら解決できるかを考える

行動をマネジメントする手法をご紹介する前に、行動をマネジメントする上で重要な考え方があるのでそれを紹介します。それは、個人攻撃に陥らないというものです。

例えば、教室から頻繁に脱走する児童がしたとしましょう。そうした児童に対して、「どうせ〇〇くんだから無理だ」「〇〇くんが変わろうとしないからだめなのだ」という態度で接していてその児童の行動が変わるでしょうか。

重要なのは、ある行動をしてしまうことを個人の責任や個人のやる気の問題にするのではなく、問題となっている行動を変えるようやり方を考えることなのです。

ではここからその具体的な手法について見ていきましょう。
 

行動をマネジメントするABC分析

行動をマネジメントするその手法はABC分析というものです。

ABC分析は、A(Antecedent:先行条件)、B(Behavior:行動)、C(Consequence:結果)という要素に基づいた分析です。このうちのB(行動)を変えるために、A(先行条件)とC(結果)を変えるというものです。

先ほどの教室から頻繁に脱走する児童の例で具体的に考えてみましょう。

A,B,CのうちBには「教室から脱走する」という行動が当てはまります。AとCについても想像してみましょう。

Aには仮に「授業中」という先行条件を、Cには仮に「連れ戻しに来る大人が構ってくれる」という結果を入れてみます。それではこの条件で、この児童の行動は変わるでしょうか。

ここでご紹介したい原理があります。

  • 強化の原理
  • 行動することで、何か良いことが起こったり、悪いことがなくなったりすると、その行動は繰り返される。 

この原理を基に考えると、児童の「教室から脱走する」という行動は強化され、繰り返されることが分かります。つまり、「教室から脱走する」というB(行動)をしたところ、「大人が構ってくれる」という児童にとって良いものであるC(結果)が生じたため、この強化の原理が働いてしまっているのです。

ではこれを変えるためにはどうすればよいのでしょうか。

ここで意識すべき点としては、本人のB(行動)を直接こちらがいじることは不可能だが、A(先行条件)とC(結果)であれば直接こちらがいじることが可能であるという点です。

例えば次のようにAとCをいじると「教室から脱走する」というBが変わることが期待されます。

本人が脱走する原因が授業中に与えられる課題が難しくて分からないということだった場合、Aを「授業中+レベルに合った課題」に変えてみます。そうすることでBが「授業の最後まで教室にいる」に変わり、その結果Cが「先生に褒められる」というものに変わったとするとどうでしょう。今度は、「授業の最後まで教室にいる」というB(行動)が強化されたことが分かります。

これはA(先行条件)をいじることで望ましい強化のループを生み出したものですが、C(結果)をいじることでも望ましくない強化のループを断ち切ることができます。

ここでもう一つ原理をご紹介します。

  • 弱化の原理
  • 行動することで、何か悪いことが起こったり、良いことがなくなったりすると、その行動は繰り返されなくなる。 

この原理を基にして次にようにCをいじってみます。

先ほどの「教室から脱走する」という事例では、「連れ戻しに来る大人が構ってくれる」というC(結果)があったことで、「教室から脱走する」というB(行動)が強化されていました。そこで、Cを「誰も相手をしてこない」というものに変えてみます。すると、「教室から脱走する」という行動から生まれていた良いことがなくなったため弱化の原理が働き、「教室から脱走する」というB(行動)が繰り返されなくなる可能性が出てくるのです。

このように、AやCをいじることでBが変わることにつながるのです。

もちろんここに挙げた例はあくまで一例で、人によって効き目のあるやり方は異なります。低学年であれば先生から褒められるというCが大きな効果を上げるでしょうが、学年が上がるにつれてその効き目は小さくなっていくでしょう。もちろん同学年であっても個人によっても差があります。

重要なことは、子供の行動の傾向の裏にある原理のようなものを見抜き、どういったAやCを設定すればBを変えられるかを考えることです。個人攻撃をするのではなく、前向きにどうしたら問題を解決できるのかを考えていく姿勢を持っていきたいものです。

最後にもう一つ原理をご紹介します。

  • 派生の原理
  • 好子(行動を強化する「良いこと」)や嫌子(行動を弱化する「悪いこと」)が現れると、そのとき、そこにいた人やそこにあった物、状況などが、好子化したり、嫌子化したりする。 

この原理に気を付けないと、この原理が働いて自らの言動一つで知らないうちに子供を悪い方向に変化させかねません。 

例えば、子供が人前で発表をする際に恥をかいてしまえば人前で発表するということが嫌子化してしまい、人前で発表することを避けるようになるでしょう。また、子供を厳しく注意してばかりいると、自身の存在自体が子供の中で嫌子化し避けれらるようになるため、子供とのコミュニケーションを円滑に行えなくなるでしょう。

したがって、常に子供たちの置かれている状況や自身の言動に心を配っておく必要があると言えるでしょう。
 

おわりに

人はなかなか変わらないものです。ただ、そこで人格否定をするのではなく、人の行動に注目し、それを変えるために粘り強く働きかけていくことが重要です。粘り強く働きかける際にこの記事でご紹介したABC分析のフレームに当てはめて働きかけ方を整理していくと、徐々に子供たちに変化が生まれてくると考えられます。

本記事でご紹介したABC分析のエッセンスは、教員採用試験の面接における場面指導でも活きてくるものです。場面指導で重要なポイントとしては次のようなものがあります。

ABC分析では、子供それぞれが持つ行動原理に寄り添ってA(先行条件)やC(結果)を適切にいじることで子供の行動を変えようとします。子供が持つ行動原理は、子供によってもまた同じ子供でも場面によって異なってきます。したがってABC分析の考え方はまさに場面指導で必要とされる「一方的でなく子供の立場に立った指導」や「現象面にとらわれた指導ではなくその要因に迫る指導」の考え方と通底するものなのです。

本記事は、島宗理『パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学―』を基に執筆しました。この本には、本記事でご紹介した他にも様々な原理が豊富な事例を基に紹介されています。本記事で興味を持っていただけた方は、是非お手にとってみてはいかがでしょうか。

 

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記事執筆:さくま

都内で政治学を学ぶ大学生です。
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