反転授業で学校はどう変わる?佐賀県武雄市「スマイル学習」の一年をインタビュー②【インタビュー:前篇】-教員採用試験対策/教師・教職の募集情報|教員ステーション

教員ステーショントップインタビュー反転授業で学校はどう変わる?佐賀県武雄市「スマイル学習」の一年をインタビュー②【インタビュー:前篇】

反転授業で学校はどう変わる?佐賀県武雄市「スマイル学習」の一年をインタビュー②【インタビュー:前篇】

2015/05/12

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インタビュー
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反転授業 教育改革 タブレット

はじめに

2014年に市内すべての小学校でタブレットを使った武雄式反転授業「スマイル学習」をスタートさせ、佐賀県武雄市は全国的にも大きな話題となりました。

そして導入から一年、武雄市の教育は一年で実際にどう変わったのか?また、その一年を通して見えてきたものは何なのか?今回はそれを二回に分けてインタビュー形式でお伝えしたいと思います。

今回は武雄市教育部スマイル学習課(部署がある!)の主任、小柳真一さんにお話を伺いました。

  • 今回インタビューにご協力いただいた、武雄市教育部スマイル学習課主任、小柳真一さん

なぜタブレットを使うの?「スマイル学習」導入の意図とは。

武雄市で「スマイル学習」を始めることになったいきさつについて教えてください。
そもそもの背景についてお話しますと、武雄市の子ども達の問題点として「家庭学習の習慣がない」というところがありました。武雄市は人口5万人の小さな町で、自然に囲まれている場所であり、それに加えて近年にしては珍しく人々の深いつながりもあるという温かいところなのです。そこで生まれ育った子ども達も素直で温かく、そして物事に真面目に取り組む子が多いのですが、その一方で家庭学習の習慣があまり身についていなかったわけです。そのために「家庭学習の習慣づけ」という課題を設定し、それに加えてもう一つ、文部科学省が近年進めている「協同学習」。これを進めていきたいと考えました。この2つの課題に対する解決策として、「反転学習」が浮かび上がってきたという訳です。
「素直で真面目な子ども達」であるのに家庭学習の習慣がついていないというのは少々意外に感じられますね。
そうですね。「素直で真面目」であるために家庭学習の習慣がないという訳ではありませんし、習慣がないと言ってもサボって家庭学習を全くしないというようなことではないのですが、学校で与えられた「宿題」しかやらない子ども達が多いということは一つの問題点となっています。加えて、素直で真面目な子ども達に単学級などでなかなか培えない社会性やコミュニケーション力を伸ばすため、スマイル学習を始めたという部分もあります。
なるほど、勉強をしないという問題点ではなく、子ども達が自主的に課題を見つけることが難しいのですね。スマイル学習ではタブレットを用いることが「主体的に学ぶこと」につながっているのでしょうか?
はい。武雄市の「スマイル学習」は新しい内容を家庭でタブレットを用いて予習し、学校で予習で学んだことを活かしながら問題を解くというスタイルですから、宿題以上にやらないと次の日の学校で困るし、前日での予習やった上での取り組みということになるので、それにつられて自然と家庭学習の時間が増えると思っています。
「スマイル学習」は毎時間やっているという訳ではなく、今は算数と理科でしかやっていないし、行う学年も段階的に広げているところなので、「スマイル学習」でタブレットを用いた予習をすることが、毎日とはいきませんが家庭学習ができる「きっかけ」になればいいなと思っています。

 

 

やっぱり現場では山あり谷あり?一年を振り返って

スマイル学習の一年を振り返って、「思った以上に上手く行った点」と「意外と上手く行かなかった点」はそれぞれどんなところでしたか?      
まず「上手く行った点」についてお話すると、学校現場の先生が想像した以上に頑張ってくれたという点ですね。実際、新しいことをやろう!とすると、それをする場所は学校で、主に実践するのは教師ということになりますから、現場の先生方の協力というのは不可欠なわけです。実践してくださる方がやってくれないといけません。具体的に言うと、武雄市の反転授業で用いている映像教材ですね。この映像教材は企業と先生方が連携して作成しているのですが、反転授業において学校の先生が動画のコンテンツに関わるというのは、武雄市独自のものです。初年度ということもあって先生方には今回、その教材を作成、編集しながら並行してスマイル学習を進めて頂きました。つまり2014年度は4月からスマイル学習を実践しながら、同時に裏では次の内容の収録をしていた訳です。こうして同時進行で進んだ一年だったので現場の先生方には本当に負担がかかってしまって、授業が教材作成のスピードに追いついてしまわないかと心配もしたのですが、先生方のやる気と協力のおかげで、その心配も杞憂に終わってしまいました。本当に現場の先生方には頑張って頂いたなと感じています。
現場の先生方が実際の授業でも、教材作りという舞台裏でもご活躍されているというのはすごいですね。
学校教育の現場では通常どこかの企業と連携しながら教材を作ったり、計画を進めたりというのはほとんどないんです。校長先生や教頭先生、教育委員会であればあるんですけど、現場の先生が自分の意見を企業の人たちと話しあいながらやっていくとかいうことがほとんどない中で、今回の「スマイル学習」ではそうした新しい取り組みでも、予想以上に熱心に取り組んで頂いたという印象です。
これからもこれを機に企業との連携は進めるのでしょうか?
まあ、どんどん新しいことに取り組もうという訳にはいかないと思っています。既に「スマイル学習」でいっぱいいっぱいですね。(笑)しかし、新しいこと進めることで現状がいい方向に向かうのであれば、すぐに取り組みたいという気持ちです。

 それでは失礼ですが逆に、予想外に上手く行かなかった点について教えてください。

初年度なので、各学校の先生方に「スマイル学習」自体の目的、スタイルを学校に理解してもらいたいと思いお願いをしてまわったのですが、先生それぞれの考え方がありますから、なかなか全員の理解を得るのが難しかったと感じました。
基本的にスマイル学習には三つの目的があるんです。それは「スマイル学習」をなぜするか?ということにも関わってくるんですが、
一つ目は皆が授業に意欲を持って参加できるように。これはみなさん賛成してくださいます。
後の二つが問題です。
二つ目が子ども達の実態を把握して、先生が臨む
三つ目は出来るだけ長い時間の協同学習を盛り込む
この三つを目的としています。
様々な考え方がありますから、この三つを先生方がご理解して授業をしてもらえるのか?というのが課題ですね。この三つを全ての先生方にご理解いただくにはなかなか時間がかかりそうです。

 

 

 反転授業で学校はどう変わる?佐賀県武雄市「スマイル学習」の一年をインタビュー

①そもそも反転授業って?

③インタビュー:後篇

 

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記事執筆:いけだこーた

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