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アレルギー死亡事故から学ぶ、アナフィラキシーの危険性!~知っておきたい、アレルギーのこと~

2015/05/01

カテゴリ
日本の教育
キーワード
アレルギー 食物アレルギー 給食

「食物アレルギー」が注目されるようになった背景とは?

近年、学校での食物アレルギーへの対応が注目されるようになってきています。その背景には、学校で起きた、ある不幸な事故がありました。

  • 平成24年12月、東京都調布市の小学校において、小学五年生の児童亡くなるという悲しい事故が起きました。原因は、食物アレルギーを原因とするアナフィラキシーショックによるもの。

    担任の教員は児童がアレルギーを持つことを把握していましたが、確認しないまま、児童におかわりを渡してしまったことから事故が発生してしまいました。


その日の給食の献立には、児童がアレルギーを持つ乳製品であるチーズを含むチヂミが出されていました。当該児童にはあらかじめチーズを抜いて調理されたチヂミが調理師から直接提供されていました。しかし、児童がおかわりを申し出た際、教員が確認をせずにチーズ入りチヂミを渡してしまったそうです。その後、児童は摂取した乳製品にアレルギー反応を起こし、三時間後に搬送先の病院で亡くなってしまいました。

 →→合わせて読みたい、アレルギーの基礎知識と学校給食でのアレルギーへの対応←←

 

調布のアレルギー事故から学ぶ、教員に求められることとは?

調布市でのアレルギー事故を振り返った時に、注目すべきことが2つあります。

  • 1. おかわりの際の担任の確認不足
  • 2. アレルギーの急性反応を防ぐ注射「エピペン」の使用判断が遅れたこと 
これらのことについて、少し考えてみましょう。
 

1. おかわりの際の担任の確認不足

学校では事前に担任や保護者、栄養士によって、給食にアレルギー食物が含まれるかどうか、献立表のチェックを毎月行っており、アレルギー食物が献立に含まれている場合には代替食を提供するなどの対応を行っていました。さらに、アレルギーを持つ児童がおかわりを希望した際には、献立表をチェックしてからおかわりを渡すことになっていましたが、担任の教員がそれを怠ってしまったため、この事故は発生してしまったのです。

他の児童への対応など、忙しい給食の時間ではありますが、教員が常に細部にまで気を配り、確認を怠ってはいけない、ということを改めて心に留めておく必要があるでしょう。
 

 2. 「エピペン」の使用判断の遅れ

アレルギーの急性反応を防ぐ注射のことをエピペンといいます。

エピペンはアドレナリン注射のことで、アナフィキラシー(急性反応)を起こす恐れのあるアレルギー患者に対して医師によって処方される注射です。このエピペンは患者自身が自分で使用することができます。また、児童が自分自身でエピペンを使用することが難しい場合には教員が代わりに打つことも認められています。

(エピペンについて、詳しくは アレルギーによる事故を防ぐには!?~教員なら知っておきたい、アレルギーとエピペンのこと」 をご覧ください)

調布市の事故でも児童はエピペンを所持していましたが、担任はすぐにエピペンを使用することができませんでした。他人に注射を打つことは非常に勇気のいることでもありますが、その注射によって命を救うことができるかもしれないのです。

緊急時にエピペン使用の判断を行うためにも、教員はアレルギーについて、正しい知識を持っている必要があると言えるでしょう。

 

 事故再発防止のためには何が必要なのか?~文部科学省の動き~

この事故を受けて、文部科学省でも再発防止に向けて動き始めました。有識者による会議「学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議」が開かれ、有識者によって、学校でのアレルギー対応に関する提言が出されたのです。

また、食物アレルギーを持つ児童・生徒に対する対応について、「学校給食実施基準」においては次のように記載されています。

食物アレルギー等のある児童生徒に対しては、校内において校長、学級担任、養護教諭、栄養教諭、学校栄養職員、学校医等による指導体制を整備士、保護者や主治医との連携を図りつつ、可能な限り、ここの児童生徒の状況に応じた対応に努めること。なお、実施にあたっては公益財団法人日本学校保健会で取りまとめられた「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」及び「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を参考とすること。

(「学校給食実施の基準の一部改正について(通知)」より一部抜粋) 

現場ではこれらを受けて今後の学校で取るべきアレルギー対応について検討がなされはじめています。例えば、事前に児童・生徒のアレルギーを把握するために、保護者にアレルギー調査票を記入してもらい、保護者と教員で話し合う機会を設けるなどの対応を行っています。


教員なら知っておきたい、アレルギーについて

ここまでみてきたように、アレルギーを持つ子どもが増加し、学校でも対応が求められるようになっている今、教員はアレルギーについて正しい知識と理解を持つことが必要不可欠であると言えるでしょう。

近年では、学校単位でアレルギーについての理解学習会などを行っているところもあるそうです。そのような機会を使って学習するなど、児童・生徒が安心して過ごせる学校づくりを行っていく必要があるのではないでしょうか。
 

参考資料

日本学校保健会ホームページ
 学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン
教職研修2014年7月号

 

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記事執筆:はやさか

教育に関わる仕事がしたいと考えている、大学3年生です。
自分自身も教育について考え、理解を深めていきたいと考えています!

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