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自殺を招く「LINEいじめ」 対策おくれる教育現場の現状とは?

2015/05/25

カテゴリ
日本の教育
キーワード
LINE いじめ SNS スマートフォン

LINEいじめの現状 

LINEとはどんなツールか

LINEとは、LINE株式会社(旧:NHN Japan)が提供するインスタントメッセンジャーです。
スマートフォンやタブレットなどを用いて、気軽に友人とインターネット電話やテキストチャットなどを楽しむことができます。
メールや電話に比べて、手軽なことや利用が無料なこと、様々な機能の利便性から、若い世代を中心に幅広く利用されており、Z会の調査によれば、高校生の約7割がLINEを利用しているとされている。

 

LINEいじめの件数は大きく増加

しかし、中高生への普及に伴い、LINEいじめという問題が新たに浮上しました。
LINEいじめとは、LINEというアプリケーションの性質が引き起こされるもので、今までのいじめとは性質の異なるいじめのことです。
全国webカウンセリング協議会によると、LINEをめぐるトラブルやいじめについての相談件数は、2012年の35件から2013は497件、さらに2014年は7月までに1036件と急増しています。
協議会に相談が寄せられていないLINEいじめも多く存在すると思われます。
したがって、実際に起こっているLINEいじめの件数はこれの何倍もの数であると推測でき、教育現場にとって大きな課題となっていることは間違いありません。
以下でいくつかのLINEいじめの事例をご紹介します。 
 

LINEいじめの事例 

熊本、高1女子が自殺 LINEでいじめと学校側認める

熊本県教育委員会は22日、熊本市の県立高校1年の女子生徒=当時(15)=が昨年8月に自殺していたと発表した。県教委と高校はいじめがあったと認め、自殺との因果関係を調査する。
県教委によると、寮で生活していた女子生徒は昨年6月28日、同じ寮の同学年の女子生徒に、身体的な特徴をからかう言葉や身体に危害を加えると脅すような言葉をLINE(ライン)に書き込まれたという。
いじめを受けた女子生徒の保護者が同日、高校に相談し、直後から高校は書き込みをした女子生徒や寮生らへの聞き取り調査を実施。昨年5月~6月末にかけても、同じ女子生徒に私物を隠されたり、携帯電話を無断で使われたりする行為があったとしている。
記者会見で校長は「精神的な苦痛を感じさせる心理的圧迫があったと思われ、いじめに当たると判断する」と説明。「その後の指導で生徒らは和解できたと認識しており、このような事態になったのは痛恨の極みだ」と述べた。
女子生徒は、実家に帰省していた昨年8月17日朝、自宅で死亡しているのが見つかった。(2014年10月23日産経新聞)

このように生徒が自殺まで追い込まれるなど、LINEを発端とした痛ましい事件も複数発生しています。
後述しますが、LINEいじめには従来のいじめとは異なったきっかけや過程があります。そのため、教師の発見が遅れることやそもそも発見できないこと、などが深刻化の一因となっているようです。 

その他の事例

● 事例2:LINEで自殺示唆 中3、いじめ苦か 長崎 (朝日新聞)
● 事例3:LINEで「ざまあみろ」いじめ認定 熊本自殺未遂報告書 (朝日新聞)  
 

LINEいじめの問題点

LINEでの既読無視からトラブルへ

LINEいじめやLINEトラブルの原因となる機能の1つに「既読機能」というものがあります。
これはメッセージを受信者がそのメッセージを読んだ際に、送信者の方にその事実が伝わるというものです。
既読が付いたにも関わらず、返信が返ってこないと送信者は不安や苛立ちを覚えることになり、そこからトラブルやLINEいじめへと繋がるケースもあります。

LINEのグループ機能で無視や仲間外れ

 LINEの便利な機能の1つにグループ機能というものがあります。
これは部活やクラスなどの集団がLINE上で1つのグループとなり、メッセージのやりとりを行う機能です。
普通に使うには便利な機能ですが、クラスの一員なのにグループに入れてもらえないということや、グループでの発言が他の人に無視される、などLINEいじめの手段になることもあります。

最大の問題は閉鎖性

無視や仲間外れ、誹謗中傷などといった問題は以前からのいじめでも指摘されていました。
しかし、従来のいじめとLINEいじめの大きな違い、それは「閉鎖性」にこそあると言えます。
教室や部活動での無視や仲間外れなどといた問題は、教師が気づける機会が少なくありません。教室や部活動での様子を注意深く観察することで、発見・解決に至れる可能性があります。
しかし、LINEいじめはLINEという非公開のSNS、つまり閉じた世界の中で行われる問題です。そのため、教師が直接的に監視することは難しく、従来のいじめに比べ、発見が遅れることが多いです。
これがいじめの問題を加速する一因となっています。 

LINEいじめ解決のため、教師にできる対策は?

LINEいじめと言っても、原因や過程が今までのいじめと異なる一方で、問題の根底は今までのいじめと大きく変わっていないと言えます。そのため、日頃の生徒の観察は今まで通り必須になるでしょう。
また、教師自身がLINEの性質について知っておくことも重要であると言えます。10代、20代では7割を超えるLINEの利用率も、30代、40代、50代となるにしたがって、大きく落ち込んでいきます。
使う・使わないは別としても、LINEの性質を知っておくことはLINEいじめの早期発見などに役立つことになるでしょう。

おわりに 

LINEいじめはここ2年ほどで急速に増加し、注目されています。しかし、事例もまだ充分ではない現状で、その変化に文部科学省としても明確な方針を示せていないようです。
現場の教員1人1人が子供の動向に注意し、適切に対応していくということがより一層必要になると言えます。

子供のスマートフォン利用について、こちらもチェック!

記事執筆:やまじ

教員ステーションで運営スタッフをしている大学3年生です。
「行動に結びつく情報の伝え方とは何か」を日々考えています。
教員志望者のみなさんの役に立つ情報を発信していきたいです。

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