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AO入試は合理的な仕組みだと思う

2014/12/02

カテゴリ
日本の教育
キーワード
AO入試 大学入試 入試 一般入試 小論文 面接 コミュニケーション能力 ダメ 学力 ポテンシャル

はじめに

最近何かとAO入試が話題になっています。その多くは現在のAO入試のあり方に疑問を投げかけるものです。

私はAO入試は一概にそう悪いものではないと思っています。というより「優秀な」人材を選抜するには合理的な仕組みなのではないかと思っています。そんなことをつらつら書いていきます。 
 

欲しい人材を考えてみる

大学入試とは大学が入学者を選抜するために行う試験です。その手法としていわゆる一般入試であったりAO入試であったりがあります。そのうちどの手法を選ぶかに、大学がどのような人物をほしがっているのかが出ると考えられます。

実際の大学が何を考えているのか分かりませんが、私が素晴らしい人材を輩出したいという熱い思いを持つ大学経営者であれば、大学で伸び、社会に出て活躍すると思われる人材を選抜したいと考えるでしょう。
 

伸びる人材、社会に出て活躍する人材とは

ここで私が以前書いた記事から記述を引用します。

ここで注目すべきは、受験期に「あきらめずに努力し続けた」層と「受験対策をしなかった」層では、大学生活をどう思うかが大きく異なっているということです。進路と関連した項目で言うと例えば、「将来つきたい仕事や目標に少しずつ近づいていると感じる」という項目では「あきらめずに努力し続けた」層と「受験対策をしなかった」層とで、「とてもあてはまる」か「まああてはまる」と回答した学生の割合で倍の差がついています。
(中略)
例えば、「人と協力しながらものごとを進める」というのはコミュニケーション能力の一部であると言えるでしょう。
しかし前述したように、そうした力が身に着くかどうかには個人差があります。そこを見極める場が大学入試であるはずです。したがって大学入試は、その時点での力だけではなく大学入学後の伸びしろも含めて評価できるようなものにすることが重要でしょう。
教員ステーション「 【10/26~11/1】表現力・主体性・・・これらをどう評価する?大学入試改革は何を目指すか」より引用)

前述したとおり私が大学経営者であれば、大学で伸び、社会に出て活躍すると思われる人材をとりたいと思うでしょう。しかしこの記事から分かることは、大学で伸びるかどうかには個人差があるということです。

上の記事で述べられている個人差は、受験期に努力をし続けたかどうかによるものでしたが、個人差はそれだけに限りません。

学力面で言えば、自らがその学問を学びたいと思っているかどうかで、その伸びに個人差が出てくるでしょう。また、コミュニケーション能力について言えば、これは様々な経験を通じて伸びるものであり、大学生活の過ごし方や個人の特性次第で個人差が出てくるでしょう。様々な活動に積極的に取り組んだ方がコミュニケーションに関して多くの学びを得られるでしょうし、常に何かを吸収しようと思っている方がコミュニケーションに関してもそれ以外に関しても多くのものを得られるでしょう。

つまり、私が大学経営者であれば、大学で伸びると思われる人材を選抜する様々な工夫を入試においてこらすことでしょう。
 

結局AO入試はダメなのか

この記事の最初にも述べましたが、私はAO入試が一概に悪いものとは思っていません。理由としてはここまで述べてきたとおり、AO入試によってやり方次第では大学4年間を通じて予想される伸びが測れると考えるからです。

大学4年間を通じての伸びに影響を及ぼす能力、姿勢としては様々なものが考えられますが、明確な将来の目的意識があれば伸びやすいと思いますし、素直さがあればそれも伸びやすさにつながるでしょう。また、地頭も伸びやすさと関係してくるかもしれません。

将来の目的意識や素直さといったことは、小論文を基にした面接で過去のエピソードも含めて深く掘り下げていくことで測れるかもしれません。地頭であれば、筆記試験も織り交ぜた方がよいということになるかもしれません。

とここまで考えると、この思考回路は企業の人事の考え方と極めて似通っていることに気付きます。新卒採用はしばしばポテンシャル採用と言われます。企業は新卒採用の際に、筆記試験や複数回の面接を通じて学生のポテンシャルを測ろうとします。それと今回私が大学経営者として考えたことは極めて似通っています。

多くの企業がこうした形式の選考フローを採り続けているということは、こうしたやり方がそれなりの成果を残してきたという判断があるからであり、そう考えるとAO入試にも一定の合理性があるのではないかと考えられます。そう考えるとむしろ、一般入試の方が大学4年間で伸びる人材の選抜には向いていないのかもしれません。

一般入試、つまり筆記試験で主に測れる能力は、今その人が持っている見える学力に過ぎません。見える学力以外のこと、例えばその人のモチベーションなどは分かりません。こうした一般入試だけではポテンシャルは測りづらいと言えるでしょう。

もちろん筆記試験によってその人がどれだけ努力をできる人かを測ることに成功すれば、それはその人のポテンシャルを測ったことになるかもしれないということは言えます。しかし、何もその人が努力をできる人かどうかを、受験に向けた努力のみで測る必要もないはずです。

したがって、一般入試のみで入学者を選抜するというやり方の方が、伸びる人材を獲得するという意味ではむしろ合理的ではないと言えるかもしれません。

一方でAO入試を用いても伸びる人材の獲得に失敗することも考えられます。AO入試にも様々なやり方がありますが、この入試形態ほどやり方に工夫が求められる形態も無いと思います。

小論文を書かせ、表面的な面接を1度行うだけといったAO入試もあるでしょうが、それで本当に伸びる人材を獲得できるでしょうか。そうしたAO入試では、小手先のAO入試対策を行った人のポテンシャルを実際以上に評価してしまうことでしょう。AO入試がしばしば批判される所以はここにあると言えます。

記事中で何度も述べてきましたが、AO入試は伸びる人材を獲得するという意味では合理性を持った入試形態です。しかし、これをその趣旨にあった形で運用するには様々な工夫が必要です。それがなければ、ただの楽に合格できる入試形態になってしまうでしょう。

本気で行ったAO入試は社会に出て本当に活躍できる人材の輩出につながるはずです。AO入試という形態をとるからにはそれなりの覚悟が大学側に求められていると言えるでしょう。

 

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記事執筆:さくま

都内で政治学を学ぶ大学生です。
みんなが活き活きと生きられる社会を目指しています。

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