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フリースクールを教育機関に!超党派で法案提出へ!その理由とフリースクールに求められる役割

2015/05/29

カテゴリ
【週刊】教育関連ニュースまとめ
キーワード
教育ニュース フリースクール 不登校 文部科学省 オルタナティブ教育

フリースクールを義務教育の制度内へ

フリースクールを義務教育の制度内に位置づける法案が、今国会中に提出される見込みとなりました。
そこで、今回、「フリースクールとは何か」「なぜ必要なのか」「求められる役割は何か」について、詳しく見ていきます。

※この記事は2014年8月に執筆されたものを加筆・編集して配信しています。

フリースクールを教育機関に:文科省が財政支援へ

概要

不登校生らが学ぶフリースクールについて、文部科学省は教育機関として正式に位置づけ、財政支援を行う方向で検討を始める。
一定の基準を満たしたフリースクールに通う子どもは、在籍する小中学校への出席と同じ扱いにできる仕組みを考える。有識者会議を設置し、早ければ2016年度からの制度化をめざす。
フリースクール全国ネットワーク(東京都)によると、フリースクールは全国に約400~500あるが、規模は10人程度から100人を超えるものまで様々だ。同省では実態調査を行った上で、児童生徒の学校復帰や社会参加で実績を上げているなど一定の基準を満たしたフリースクールに通っている場合、出席扱いとする方向。現在、出席扱いとするかは、在籍する小中学校の校長の裁量に委ねられている。法令などに基づく正式な教育機関として位置づけ、フリースクールに通う児童生徒に対し必要な費用を補助する仕組みも検討する。(2014/8/26 読売新聞

不登校の子どもたちが通い、学ぶ、フリースクール。文部科学省はこれらを正式に教育機関として位置づけ、財政支援をおこなうことを検討しはじめました。基準を満たしたスクールに通う子どもは、在籍する学校へ出席しているのと同じ扱いをできる仕組みを設けることも検討されているとのこと。施設規模などもさまざまなフリースクールの実態調査をおこない、制度を整えていく方針です。

本記事ではこのニュースを題材に、①なぜ今フリースクールを教育機関として位置づけるのか、②フリースクールに期待されている役割とは何かについて述べていきます。
 

なぜ今フリースクールを教育機関として位置づけるのか

今回のニュースでは、フリースクールを正式な教育機関として位置づけ、そこへ通う子どもが本来在籍している学校への出席と同じ扱いができるようにする、と文科省の方針が紹介されていました。では、なぜ今フリースクールを教育機関として位置づけるのでしょうか。

前提として確認しておくと、これまでフリースクールは、いわゆる「学校」の機能的な代わりをはたす教育機関としては認められていませんでした。学校教育法では、文部科学省が定めた基準に則った「学校」へ子どもを就学させる義務が保護者に課されており、フリースクールなどのような教育機関にのみ子どもを通わせることは、法律上、認められていなかったのです(*1)。

ところが、今回の制度が実現となれば、フリースクールにのみ通っていたとしても、本来行くべきはずであった学校に通っているのと同じ扱いをうけることができるのです。なぜ、フリースクールについてこのような処置がとられようとしているのでしょうか。

1つの要因としては、現在では不登校状態にある児童生徒の数・割合が比較的高くなっているという事情があげられます。

(ともに、文部科学省「平成24年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
をもとに筆者作成)


図1・2は、それぞれ小中学校の不登校児童数、および児童数に占める不登校児童の割合を示したグラフです。これをみますと、不登校児童数は2001年をピークに減少傾向に転じていますが、不登校比率は2000年代~2010年代を通じて高止まりとなっています。

このように現在、不登校状態にある子どもは比較的多いといってよいでしょう。こうしたなか、不登校の子どもが、みずからの自宅以外に身を寄せて学習等をつむ場所の主たるものがフリースクールになります。そうしたフリースクールの環境整備を整え、不登校児童の問題に対処しようという意図が今回の取り組みにはあると考えられます。
 

参照

*1 「『学校』には通わなければいけないのか?~学校教育法を読む~」(教員ST)。なお、今回の施策以前にも、フリースクールに通う子どもたちを学校への出席扱いとする措置はありました。しかし、そこで出席扱いとされるかどうかは在籍する学校の校長先生が判断することになっており、当のフリースクールが「不適切」だと判断された場合、出席扱いになりませんでした。
 

フリースクールに期待されている役割とは何か

以上のように、フリースクールに通う多くの子どもたちの問題に対処するためとして、今回、フリースクールが正式な教育機関として位置づけることが検討されているといえます。では、そこでのフリースクールに期待されている役割とは一体何なのでしょうか。

ここでは2つの選択肢があります。すなわち、フリースクールを「学校」への復帰を目指すための教育機関として位置づけるのか否か、というものです。より具体的には、フリースクールを、通常の「学校」と並ぶオルタナティブな教育機関として位置づけるのか、「学校」からある種「こぼれ落ちた」子どもを補助し、その復帰を後押しするサブシステムなものとして位置づけるのか、どちらなのかということです。

冒頭に引用した記事にはこのように書かれています。「同省では実態調査を行った上で、児童生徒の学校復帰や社会参加で実績を上げているなど一定の基準を満たしたフリースクールに通っている場合、出席扱いとする方向」。つまり、今回の施策のなかでフリースクールに期待されている役割とは、生徒による「学校」への復帰や社会への参加を後押しすることであるということがここから読み取れます。すなわち、フリースクールはあくまでの「学校」の補助的機能を担うべき教育機関であり、「学校」と並ぶオルタナティブな教育機関ではないということになります。

この点について一概に良し悪しを論じることはできません。日本では諸外国に比べて、「学校」以外のオルタナティブ教育がそれほど発達しているとはいいがたいものがあるため、今回の施策はある種妥当なものであるといえるでしょう。しかしながら、フリースクールの存在意義を論じるなかでは、そのオルタナティブ教育的な側面の可能性に着目するものもあります。

「学校」になかなか通えない不登校児童たちに、いかにして教育機会を提供するのか。その際、教育機関としてのフリースクールはどのような位置づけが与えられ、何を目指して運営されていくのか。今回の施策を機に、こうした問題に展開がみられそうです。

 

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記事執筆:やんべ

教員ステーションのプロジェクトスタッフです。
大学では社会科学を学んでいます。
教育にまつわる「不思議」について考え、書いています。

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