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ICT教育のススメと問題点

2015/03/05

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ICT教育 メディア メディアリテラシー 授業 教育の情報化

はじめに

今やデジタル情報機器は私達の生活に欠かせません。 教育の現場でも、子どもたちの理解、意欲、思考力や判断力の向上が期待され、更なる活用が望まれています。
そんな中、昨年文部科学省は、教員養成課程で、ICT(情報通信技術)を使った授業方法習得を目指すカリキュラム拡充の方針を決定しました。 この決定を受け、ICT利用状況の改善と教員の指導力向上に向けた動きが、ますます加速すると予想されます。
今回は、教育の情報化の現状とICT教育の問題点について考えていきたいと思います。
 

教育の情報化とは?

文部科学省によると、「教育の情報化」 とは

  • 情報教育: 子どもたちの情報活用能力の育成
    教科指導におけるICT活用: 各教科等の目標を達成するための効果的なICT機器の活用
    校務の情報化: 教員の事務負担の軽減と子どもと向き合う時間の確保

の3点から構成され、これらを通して教育の質の向上を目指すものとされています。 
 

ICT教育の現状とは?

1.学校におけるICT環境の整備

教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数平均は、児童生徒6.5人/台であり、横ばいの状況が続いています。しかし平成23年3月までのIT新改革戦略における3.6人/台という目標の達成率は未だ55%であり、環境整備が十分とはいえません。また、都道府県毎の状況をみると、最高値の都道府県の4.5人/台に対し、最低値は8.2人/台と、大きな都道府県間・市町村間格差があるといえます。特に下位5位の都道府県が、神奈川県、東京都、福岡県、愛知県、埼玉県と続いた結果を見ると、意外にも大都市での整備率の低さ目立ちます。今後整備率を少しでも引き上げることは勿論ですが、大都市自治体の先生は、コンピュータが十分に確保できない状況でも、一人でも多くの子どもたちがICT教育のメリットを享受できるような授業の工夫が必要です。

ICT教育のサポート体制として、教育現場から注目を集めているのがICT支援員。彼らは、技術面や授業自体に関わる補助業務を行い、先生の力強いアドバイザーとなっているようです。ICT支援員の配置には国の補助が必要と考える学校や教育委員会がなんと9割にも及ぶというアンケート調査の結果から見ても、人材をも含めた環境整備がICT教育の促進には不可欠といえます。

2.教員のICT活用指導力

参照: 文部科学省 「平成25年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果


教材研究・指導の準備・評価等へのICT活用能力(A)が、平均約80%をマークしたのに対し、ICT活用や情報モラルの指導能力
(C・D)は、依然60%代のままです。例えば、Word , Excel等のofficeソフトでの発表、表現方法や、各教科の学習用ソフトを使った効果的な学習方法の指導、あるいは、情報収集や正しい情報選択の方法、インターネットを安全に利用するためのマナーやルールの指導に対し、不安を感じる先生は少なくないようです。 

参考:
文部科学省 「平成25年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果【速報値】」
日本教育情報化振興会「第9回 教育用コンピュータ等に関するアンケート調査 報告書


メリットだけじゃない!?ICT教育の問題点を考える

ICT教育によって、授業がよりビジュアル化され分かりやすくなり、子どもたちがより楽しめることがより高い学習効果をもたらすことに繋がると期待されています。しかし、ICT教育には問題点もまた同様に存在します。

 教育格差拡大の恐れ? 

ICT環境の整備における地域間格差や学校間格差が、教育格差の拡大に繋がることが懸念されています。ICT教育の基本となるデジタル機器は、費用や体制の問題から一斉導入が困難であるため、各地方自治体の首長や各学校長に広い裁量を認めざるを得ないことが、整備率に差が生じている理由の一つです。ICT教育の導入有無によって、授業形態や内容が異なり、生徒の理解度に差が出る可能性があります。

参考: ReseMom ResearchするMomとつくる保護者&教育関係者向けサイト「【デジタル教科書(1)】日本のデジタル教科書の現状…格差拡大に懸念」

 

法整備が不十分

現在、学校教育法や著作権法等により、デジタル教科書は法律的に世紀の教科書と認められていないません。そのため、デジタル教科書は、教科書検定の対象から除外され、必要な範囲内であれば著作物を掲載できるという著作権に関する特例の適用外になっています。デジタル教科書普及に伴い、実情に合った法整備が必要という声は聞こえますが、法改正となれば時間がかかりそうです。

参考: ITエキスパートのための問題解決メディア 「中村伊知哉のもういっぺんイってみな!(20):早く教科書になりたい! 教育の現場から叫ぼう」

 促進の一方で生まれる誤解

ICT教育で利用される「タブレット」や「PC」、あるいは「スマホ」という新しいツールに、不安や嫌悪感を抱かれる保護者も少なからずいらっしゃることと思います。「紙の教科書撤廃!?」「PCの画一的な授業や学習は本当に良いの?」「読み書きが苦手になるでしょ」といった声が聞こえていますが、ICT教育推進に奮闘中の文科省も、学習効果や学習意欲向上を第一優先としながら、あくまで従来の学習形式の補完的役割を担うことを、ICT教育に求めています。このようなICT教育に関する誤解が一方的に広がらないよう、各自治体や学校から保護者に対する説明が必要になります。
 

今後、教員に求められること

ICT教育の現状と問題点について考察してきました。問題点として挙げた、環境整備やICT教育に関する正しい理解が共有されたとしても、実際にICT教育を動かすのは、紛れもなく教員です。
情報機器の使い方に関する定期的な研修の必要性は、言うまでもありません。加えて重要なのは、子どもたちが情報の正しさや安全性について考え、情報セキュリティに関する基本的な知識を習得できるよう、情報社会そのものの危険性を先生自身が十分に理解し、それらをどのように指導するか、先生同士で考え実践する機会なのではないでしょうか。引き続き、ICT教育の動きを注目していきましょう!

 

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記事執筆:高嶋彩乃

教員ステーションの運営部スタッフをしながら、政治学を学んでいる大学2年生です。
すべての子どもたちが、学ぶ楽しさを実感できる日が来ることを願っています。

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