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美術館×学校=?【美術鑑賞教育を考える②】

2014/08/24

カテゴリ
実技教科最前線
キーワード
美術館 鑑賞教育 学校 図画工作 美術

美術館鑑賞教育って一体何をするの?

近年、総合的な学習の時間などで、重視されている美術鑑賞教育。
今回は、美術館や学校の現場では、どのような取り組みが行われているのかを見て行きたいと思います。

ギャラリークルーズとは

学芸員やボランティアと一緒に、美術館内や展示室をめぐり、体験的に作品鑑賞をおこなうプログラムのことを指します。子どもや親子向け、若者向け、シニア向けなど、様々な工夫を凝らしたギャラリークルーズが行われています。普段は見ることのできない美術館のバックヤードを見学できるものもあり、作品だけでなく、美術館・博物館とはどのようなものなのかを目で見て、知ることができます。 

ギャラリートークとは

学芸員や専門的な訓練を積んだボランティアのガイドスタッフが、様々な視点から対象に合わせた作品解説を行い、作品への興味を広げます。
実際に美術館で行われた事例を紹介します。

 吹き出しトーク「○○ちゃんは言いました」

作品に描かれた人物や動物の気持ちを、マンガなどでよく見る「吹き出し」を使って代弁します。「吹き出し」という身近な形式を使うことで、生徒の言葉を無理なく引き出すことができます。

ミッションゲーム「作品の謎を探れ!」

「青い服の女を探れ」「美人かどうか探れ」などの指令カードを渡し、子どもたちは、作品を調査して、各々意見を述べます。学芸員は、作品の概要を解説しつつも、それぞれの子どもの意見を尊重し、見る人の数だけ、謎の答えはあることを伝えます。子どもたちの「見ようとする気持ち」を持続させる工夫です。

 

 ワークショップとは

美術館においては、アーティストや学芸員(キュレーター)と一緒に鑑賞者が創作を体験する試みを指します。1970年代後半から、日本の美術館で取り入れられるようになり、その後、美術館の教育普及活動の一環として盛んになり、さらに2002年度に実施された小中学校の「総合的な学習の時間」により、「図画工作」の時間数が切りつめられた代わりとして、積極的に地域の美術館で採用されつつあります。創作体験だけでなく、子供たちに展覧会を企画させるなど様々な試みが広がっています。

 

 学校との連携「美術館×学校=無限」

美術鑑賞教育において不可欠なのは、教育機関である学校と専門期間である美術館が協力することです。実際に、どんな連携がみられるのでしょうか。

 授業での鑑賞

芸術鑑賞の入り口として、いきなり美術館に行くのではなく、教室での鑑賞に取り組む学校が多くあります。後々、美術館を訪れることを見据えて、所蔵品を事前にプロジェクターで鑑賞することにより、美術への関心が高まります。そして、作品を見て、自分が感じたことを発言し、友達の意見を聞くことにも慣れることを目指します。

 美術館での鑑賞

学校である程度、所蔵品を知ったのちに、実際に美術館を訪問します。ここでは学芸員によるギャラリートークやワークショップ等を行う場合もあります。事前に学習をしていることで、写真で見る作品と実物の違いを感じたり、様々な角度から鑑賞するおもしろさを感じたりすることができるのです。

アーティストの学校訪問

アーティストとつながりのある美術館が、現代美術のアーティストを学校に紹介し、特別授業をしてもらうという試みです。学校・美術館・アーティストが、事前学習や当日の授業、事後学習をどのように行うのかを子どもたちの様子に会わせて打ち合わせる必要があります。

教師向け美術鑑賞研修会

子どもが美術に親しむためには、まずは教師が美術の楽しみ方とその伝え方を知る必要があります。各自治体と美術館が連携して、ワークショップやギャラリートークを体験したり、どのように授業に取入れて行くかを学芸員と共に考えたりする研修会が開かれています。また、教師の学習のために、展覧会を無料開放する特別期間を設けている美術館もあります。

 

美術鑑賞教育の先にあるもの〜まとめ〜

美術鑑賞教育は、芸術に対する知識を得ることや、芸術に生涯親しんでいけるような基盤をつくることが大きな目的です。しかし、それだけではなく、ある作品について自分の意見を持ち、それを伝え、周りの人の意見を聞くという経験は、鑑賞に留まらず、子どもたちの成長にとって大きな力となるはずです。感じたことを言葉にすることや、自分と違う考えを認めることは、大人にとっても難しいこと。美術館、学校が連携して、芸術を前にした一生物の体験をひとりでも多くの子どもたちが経験できると良いですね。


参考文献

『平成21年度 美術館を活用した鑑賞教育の充実のための指導者研修』独立行政法人国立美術館 発行

『平成22年度 美術館を活用した鑑賞教育の充実のための指導者研修』独立行政法人国立美術館 発行

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記事執筆:SUI KURATOMO

都内の大学に通う大学4年生です。
子どもが好きで、ボランティア活動を通して小学生や知的障がいを持つ子ども達と関わっています。
今の子供たちが考えていること、特別な手助けが必要な子どもたちのこと、教育実習のこと…
少しでも多くの方が素敵な先生になれるよう、有益な情報を発信していきたいと思います。 

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