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グローバル化は進んでいる!~教育現場の未来~【五月祭教育フォーラム2014 レポート②】

2014/06/14

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講演会・イベントレポート
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東京大学五月祭教育フォーラム2014

今年もあの大きなイベントが開催されました!
 
五月祭教育フォーラム2014!

「グローバル化時代」の日本の教育~変わる世界で、変える人に~

急激に変化する日本社会。
その一側面として『グローバル化』、、、近年よく耳にする言葉ではないでしょうか。
     
2020年の東京オリンピック、小学校での英語教育などを連想される方も多いでしょう。
――でも、実際に今何が変化していて、これから何が必要になるのでしょうか?

そもそも『グローバル化』とは一体なんであろうか。

また、わたしたち自身受けてきた教育、自分の子どもたちに行っていく教育にはどのような影響を与えるのでしょうか。

わたしたちには“いま”なにができるのか。まずは初めの一歩として、『グローバル化』についてわたしたちと一緒に考えてみませんか?

Facebook:五月祭教育フォーラム2014~変わる世界で、変える人に~より


「教育」に対して、行政・教育委員会・現場で活躍されているゲストを呼び、現役大学生と議論することで子どもたちのためにそれぞれの立場でできることを一緒に考えていくことを目的としたこのフォーラム。
今年の登壇者は、鈴木寛
さん、隂山英男さん、小林りんさんの3人でした。鈴木さんは国会議員など行政での経験を踏まえた立場から、隂山さんはより教育現場に近い立場から、小林さんはインターナショナルスクールを立ち上げたという実践的な立場から、それぞれ異なる視点を持って議論が交わされました。

第2回の今回は、「グローバル化の観点から見た学校現場や教師、小学校での英語必修化」についてお伝えします。

第1回 いま、求められる「グローバル人材」【五月祭教育フォーラム2014 レポート①】はこちら!



日本も多国籍化している?

皆さんも、今までクラスに外国籍のクラスメートがいたという経験が一度や二度はありませんか?
学校現場においての生徒の多国籍化が進む現状を踏まえ、どのように対応していくべきだと登壇者はお考えなのでしょうか・・・?

小林さんはご自身の経験からグローバル化の必要性、必然性についてお話してくださいました。

高校生のころにカナダのインターナショナルスクールに留学して寮生活を送りました。高2の時に同じ部屋のメキシコ人の友人の実家にホームステイに行ったんですね。実は彼女は奨学生だったのですが、彼女の実家はバラックで、自分がとても恵まれた環境にいることに気付かされたんです。
インターを設立する目的は新しいフロンティアを創り出せる人を育てることにあります。


隂山さんは、問題が起きてしまうこと自体に怖気づかないようにとおっしゃっています。むしろ、すすんで海外へ目を向けていくべきだと。

グローバル化の中でトラブルというものは、あって当たり前なんです。島国だからと言って放っておくと停滞してしまいます。基本的には人と人とのふれあいですから、大丈夫。習うより慣れろですよ。ただし、混乱はするでしょうね。それを飲み込んだうえでやっていけばいいんです。

聖徳太子は行き詰まったときに遣唐使を派遣しましたし、平清盛も外との貿易を始めていました。国内でうまくいかなくなったとき、歴史の中のリーダーたちは皆、海外との関係を持つようにしてきたことがわかります。時代を切り開いてきた過去のリーダーたちのように、海外へ目を向けていくべきです。

確かに日本の危機に直面したときなど、歴史を見てみるとこれまでのリーダーは皆、なにかしらの海外への働きかけをしてきたことに納得しました。


では、鈴木寛さんの意見はどうでしょうか。

学校、国会、官庁、銀行、マスコミ、大企業役員会・・・。これらの組織だけが、ある意味異常な状態として、グローバル化していないんです。あなたのまわりだけ、グローバル化してないということなんですよ。

近くに留学生がいたとしても、彼らを孤立させてしまっていませんか? たとえば、Facebookでつくることのできる関係は「知人」までなんです。喧嘩して仲良くなってはじめて友達になれるんです。なんでもいいから彼らと一緒にひとつのプロジェクトをやってみてください。異文化との間の「板挟み体験」により同志ができ、それが成長につながり、人生の宝物になります。

多国籍化・グローバル化していないのは少数派で、日本でもじわじわとすすんでいるようです。グローバル化していないと挙げられたなかには、学校が含まれているということに注視すべきでしょう。つまり、これからますます公教育の場でのグローバル化が進むということを示しているのではないかと思われます。 

 

小学校での英語必修化

最近話題のこのテーマ。ROJEによる学生を対象とした調査によれば、調査対象の学生の43%が賛成しているそうです。

(図:ROJE調査結果に基づき筆者作成)

このことについて、登壇者はどのようにお考えなのでしょうか。

隂山さんの意見を見てみましょう。

これは、日本でのグローバル化で踏むべき段階です。しゃべるチャンスがないためにしゃべれないのは当然で、「英語嫌いにさせないように英語学習に文字を入れないようにしよう」というのは変な意見です。このように、日本では問題が起きないようにしすぎです。人間はトラブルを通して成長するものなのに、いまの子供たちの間ではトラブルが起きません。その結果として距離を置いてしまいます。対立からこそ、人間関係が生まれると考えるべきです。コミュニケーションツールである英語の習得方法もこれから問題になるのではないでしょうか。


グローバル化に直面する現場教師

つづいて、現場の教師に注目して話が進められました。小林さんによればグローバル化に対応できる教員には3つの条件があるそうです。

  1. 多様性に触れて、教えられる教員
  2. イノベーティブに問題設定ができる能力を持った教員
  3. リスクテイクに対応できる教員

これら3つのなかでは、特に1・2番が大切だと話されていました。

海外で免許を持っていたり経験があれば日本での免許として持つことができるという制度があるそうですが、特に首都圏で容認されるのは難しいようです。また、海外の例として、フィンランドやシンガポールでは「マスターティーチャー」として、教員を選抜して育成する制度も整っているという事例が紹介されました。

鈴木寛さんの意見はどうでしょうか。

おいて行かれる層の子どもたちはどうなるんだ、ということも考えなければいけません。そもそも、「英語必修化」という言い方が良くないですね。英語以前の問題として、日本語でのコミュニケーションすらできていないんですから。伝えたいこと・伝えたい相手を持つという、そのモチベーションが大切です。教師にも苦手意識があるのなら、苦手だと認めればいいんです。「教えよう」ではなく、「学ぼう」という姿勢を 見せるべきです。フランクに、かつ正直に生徒とコミュニケーションをとることが必要です。「先生も不安だけど頑張る」と言ってしまいましょう。

変な見栄ははらずに、子どもたちと一緒に学んでいこうとする姿勢を見せられる教師っていいですよね。その正直で一生懸命な姿から、子どもたちもきっと何かを感じるはずです。


おわりに

今回は、グローバル化を見つつ教育現場についての議論をレポートしました。やはり、小学校での英語必修化については皆で考えていく問題となりそうですね。あなたはどう思いましたか?

次回は、グローバル化していく社会のなかで学生がするべきことや、留学についてのお話をレポートします。留学するかしないか迷っているあなたは必見です。お楽しみに!

 

登壇者紹介

鈴木寛
元文部科学副大臣・東京大学大学院、慶応大学教授・NPO法人日本教育再興連盟代表理事1964 年生まれ。東京大法学部卒業後、1986年通商産業省に入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。12年間の国会議員任務の中、民主党政権では文部科 学副大臣を2期務める。通産省在任中から大学生などを集めた私塾「すずかんゼミ」を主宰。2013年の改選選挙にて惜敗の後、一般社団法人社会創発塾を設 立。2014年2月より、東京大学公共政策大学院教授、慶應義塾大学政策メディア研究科兼総合政策学部教授に同時就任。

隂山英男
立命館大学教授・大阪府教育委員会委員長・NPO法人日本教育再興連盟代表理事1958年兵庫 県生まれ。反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立し脚光を浴びる。2003年4月、尾道市立土堂小学校校長 に就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け、基礎学力の向上に取り組む一方、新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実 現。2006年4月から立命館大学教授(立命館小学校副校長 兼任)に就任。現在は、立命館大学 教育開発推進機構 教授(立命館小学校校長顧問 兼 任)。他に、文部科学省・中央教育審議会 教育課程部会委員、大阪府教育委員会委員長にも就任。

小林りん
学校法人インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢代表理事
経団連からの全額奨 学金をうけて、カナダの全寮制インターナショナルスクールに留学した経験を持つ。その原体験から、大学では開発経済を学び、前職では国連児童基金 (UNICEF)のプログラムオフィサーとしてフィリピンに駐在、ストリートチルドレンの非公式教育に携わる。学校を設立するため、2008年8月に帰 国。1993年国際バカロレアディプロマ資格取得、1998年東大経済学部卒、2005年スタンフォード大教育学部修士課程修了。

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グローバル化について考えよう!【五月祭教育フォーラム2014登壇者 鈴木寛先生インタビュー①】
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昨年度の教育フォーラム2013のレポートはこちらから!

《第1回 教室の今と未来~いじめ・発達障害の視点から~》
《第2回 教室の今と未来~いじめ・発達障害の視点から~》
《第3回 教室の今と未来~いじめ・発達障害の視点から~》
《第4回 教室の今と未来~いじめ・発達障害の視点から~》

記事執筆:かなみん

英語科の教員をめざし、教育社会学を学んでいる大学3年生です。
国内外の教育に関心があります。
少しでも多くの方に教育への関心を持っていただけたら、と思っています。

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