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【4/6~4/12】小中教員不足!大阪府で講師足りずに3か月授業なし

2014/04/14

カテゴリ
【週刊】教育関連ニュースまとめ
キーワード
教育ニュース 大阪府 教員不足

はじめに

2014年4月6日(日)から4月12日(土)にかけて報道された教育関連ニュースをご紹介しています。本記事では、大阪府の教育事情に関するニュースをご紹介します。

小中教員不足!大阪府で講師足りずに3か月授業なし

概要

大阪府内の公立小中学校で、産休・病休を取った教諭の代わりなどを務める講師が足りずに学校への配置が1カ月以上遅れる事態が、昨年度に少なくとも101校で120人に上っていたことが分かった。他教科への振り替えや自習でしのぐなど、学校現場に支障が生じている。背景には、団塊世代の大量退職による教諭不足を新規採用だけでは埋められていない事情があり、容易に解消しそうにない。
茨木市の中学校では昨年10月、50代の男性教諭(技術)が急死。すぐに市教委に講師派遣を依頼したが見つからず、今年1月までの3カ月間、2時間続きの授業の1時間を他教科に振り替え、1時間を自習にした。校長は、「学力向上と言われても、現実は学習指導要領をきちんと習得させられない法令違反の状況だ。教員が一人でも倒れれば物理的に成り立たず、ぎりぎりのラインをもう超えている」と窮状を訴える。 
全国的に団塊世代の大量退職に若手養成が追いつかない現状があるが、評価や規律を厳格化するなど独自の改革を進める大阪府固有の事情もあるとみられる。採用試験合格者が辞退したり、現職教諭が他府県に流出したりするケースが報告されている。(2014/4/10 毎日新聞

大阪府の公立小中学校で、休みをとった教員のかわりを務める講師の数が足りていないために、学校に配置することができないという事態が発生しています。現状としては自習や他教科への振り替えでしのいでいるものの、その背景には団塊世代の大量退職による教員不足があり、なかなか解決がむずかしい問題となっています。
その一方で、大阪府では教員の評価や規律を厳格するといった独自の施策が行われているという事情があり、その影響で、他の府県に比べて問題が深刻化しているとみられています。

今回は、このニュースを題材にして、①教員の高齢化と教員数の現状、②大阪府独自の教育事情について述べていきます。
 

教員の高齢化と教員数減少

今回の問題の背景には、団塊世代の退職による教員不足という現状があると書きました。そこでまず、教員の高齢化がどのように進行しているのか、また、教員数がどのように変化しているのかについて確認をしておきましょう。

(文部科学省「学校教員統計調査」平成16年度、平成22年度版をもとに作成。)


上の表は、文部科学省の『学校教員統計調査報告書』をもとにして、平成16年度と平成22年度における公立の小中高の年齢層別本務教員数(全国)をまとめたものです。

まず、年齢層別の教員数に着目してみると、平成16年度においては、小学校では45~49歳の層が、中学校と高校では40~44歳の層がもっとも教員数が多い年齢層になっています。それに対して、平成22年度においては小学校と中学校では50~54歳の層が、高校では45~49歳の層がもっとも数が多くなっており、平成16年度とくらべて変化が見られます。ここから、公立の小中高の教員の高齢化が進行しているということがわかります。

次に、合計の教員数に着目してみましょう。平成16年度から平成22年度にかけて、小学校においては約1500人、中学校においては約4000人、高校においては約1万5000人、教員数が減少しています。ここから、公立学校において教員数が減少していることはまぎれもない事実であるということがわかります。

このように、公立の小中高では、教員の高齢化と教員数の減少が同時進行しているということがか確認できます。さらに言えば、平成22年度においてもっとも教員数が多い年齢層が、小中では50~54歳、高校では45~49歳であるということから、これらの層が退職を迎える10~15年後にかけて、教員数の減少がさらに深刻化する可能性があります

その一方で、24歳未満の教員数に着目してみると、いずれの学校区分においても、平成16年度から平成22年度にかけて数が増加していることから、若手の教員数増加が図られているということが読み取れます。これら若手教員数の増加が、教員数全体の減少をいかに抑制することができるかが焦点になってくると言えそうです。
 

大阪府独自の教育事情

こうした全国規模の教員の高齢化あるいは教員数の減少という実態に相まって、大阪府には固有の問題があると指摘されていました。そこには、大阪府が独自に行っている施策が影響しています。こうした独自の教育事情が、教員不足という問題に拍車をかけていると言われていますが、では、その大阪府で行われている施策とは一体どのようなものなのでしょうか。

 (文部科学省「学校教員統計調査」平成22年度版より作成)


第1に、よく指摘されるのは、教員の給与の水準が低いということです。上の表は、平成22年度における公立中学校教員の平均給料月額を都道府県別に整理したものです。 これを見ると、たしかに大阪府の公立中学の教員の給料は、たしかにほかの都道府県にくらべると低い水準にあります。しかし、愛知県や岡山県などもほぼ同じ水準であることを考えると、この数字からだけでは、大阪府の給料の水準が際立って悪いとは言えません。

しかし、全産業の労働者と給料を比較すると、ほとんどの県において,全労働者よりも,教員の給与の額のほうが高くなっている一方で、大阪や東京などでは教員の給与が平均的な労働者のそれを下回っているということがわかっています(*1)。このように考えると、大阪府の教員の給料の相対的な水準は低いと言うことができるでしょう。しかし、東京なども同じような水準にあることを考えると、必ずしも大阪府特有の問題であるとは言いにくいかもしれません。

第2に、教員の評価に関して独自の取り組みが行われていることです。大阪府では、生徒や保護者による教員評価のアンケートを実施しており、その評価の結果を、教師のボーナスや人事評価に結びつけようという取り組みが行われています。生徒や保護者による評価アンケートは他の都道府県でも行われているようですが、それを給料や人事評価に結びつける取り組みは大阪府独自のようです。現場の教員からはこうした取り組みに対して、「生徒からの評価を気にして、テストの内容を変えてしまうかも知れない」などの懸念もあがっています(*2)。こうした厳しい教員評価の取り組みによって、大阪府の教員数が減少しているということが考えられます。


このように、大阪府には教員不足という問題について独自の事情があると考えられます。教員の給与削減や教員評価の厳格化といった施策にもそれぞれ意図が込められているとは思いますが、それによって教員数の減少に拍車がかかり、授業を実施するのに十分な教員がいなくなってしまっているというのは深刻な状況です。こうした状況を打開するためにも、こうした施策の見直しや、新たな施策の策定が必要になってくるでしょう。

 

教員不足の実態、大阪府の教育事情をもっと知るにはこちらから!

● 教員の6割が月51時間以上の残業!9割以上が「給与削減は不当」

● 【9/15~9/21】「大阪府教育委員会が高校入試にTOEFLなど活用」ほか



4月6日(日)~4月12日(土)の教育関連ニュース一覧はこちら。

● 小中教員不足!大阪府で講師足りずに3か月授業なし(本記事)

● 多様な性を考える!学校現場で広がるLGBT教育

● クラスの一員なのに…入学写真撮影から外されたダウン症児 

 

記事執筆:やんべ

教員ステーションのプロジェクトスタッフです。
大学では社会科学を学んでいます。
教育にまつわる「不思議」について考え、書いています。

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